夕ご飯をお家で食べる中学受験

シグマTECH

代表あいさつ

伊藤潤
シグマTECH代表
伊藤 潤(いとう じゅん)
 

私が、志望校への合格とともに一番大切にしたいことは、夕ご飯をお家で食べられるようにすることです。夕ご飯を家で食べられるように塾時間を設定することは、夜遅くに就寝することを避けることにも繋がります。小学生が健全な生活リズムを過ごし成長する中で中学受験をする、それを全力で応援したいと思っています。

現在の中学受験は、難関校に向けたカリキュラムで多くの子が学んでおり、それについていくためにハイスピードで大量の学習が求められています。その勉強のために、ほとんどの塾では、通塾回数や授業時間、宿題が多いのです。しかし、全員に一律のカリキュラムを行っているため、できる・できないに関わらず、全員が同じような問題を何度も反復練習しなければいけない仕組みになっているのです。一人ひとりを丁寧に観察し、個々に合わせて内容を調整することができれば、その量を大きく減らすことは可能です。

その例として、シグマTECHの取り組みを一部紹介します。『デジタルノートチェック』では、宿題ノートを授業担当の先生が毎回目を通してフィードバックをします。毎週全員に設けた『個別指導』では、一人ひとりの理解度に応じたその子だけの授業を行っています。『オンライン自学室』では、自宅にいながら質問できるだけでなく、先生が見守る中で集中して勉強を進められます。
このような勉強濃度を高める工夫により、夕ご飯をゆっくりお家で食べてもカリキュラムをこなせるような仕組みを作り上げました。

夕ご飯をお家で食べることは小学生の心身の健全な成長には欠かせません。夜遅くなりすぎず、夕ご飯を家族で食べることは、偏食や肥満を防ぐことにも繋がります。
家族で食べる夕ご飯は外食でも、ウーバーイーツでも、いいと思います。大切なのは家族がコミュニケーションを取りながらゆったりと一緒に食事をすることです。楽しくおしゃべりをしてコミュニケーションをとりながら夕ご飯を食べる時間は、子どもの心の落ち着きと成長にも欠かせないと考えています。
もちろん仕事や様々な関係で、そうした時間を作ることが難しいこともあるでしょう。だからこそ、せめて小学生の間は塾がその時間を邪魔しないようにしたいのです。
弁当を持っていき、夜遅くまで塾で学ぶ。または塾が21時まで食事なしでつづき、家に帰ってからご飯を食べる。もちろんその中でも、少しでも栄養のあるものを食べさせたり、塾のある日は消化のよいものや早く食べられるものを用意するなど、子どものために様々な工夫をしているご家庭はたくさんあります。しかし、親にとっても、そのような生活サイクルでの負担は軽くはありません。
なんとか朝、時間をやりくりして塾弁を作り、学校が終わると子どもを塾に送り出す。塾の終了は21時頃、その後帰宅して、お風呂・寝支度・明日の学校の準備とやっていると、あっという間に23~24時になってしまいます。そんなせわしないスケジュールの中では、子どもと親御さんとのコミュニケーションもままならない、ということになりかねません。

私は、これからの時代は主体的な学びこそが大切になると思います。そして、夕ご飯をお家で食べることは、主体的な学びの土台になるのではないかと考えています。
人生が100年時代になり、AIが人に替わって仕事をする時代がすぐそこまで来ています。AIの活躍の場が拡がる反面、人が働く意義、人だからこそできることが求められており、その鍵は主体性・独創性にあると思います。だからこそ、これからの教育は、今まで以上に子どもが「自ら学ぶ力」を育てること、そして「学びつづける姿勢」を育むことが重要なのではないでしょうか。

そのためには、子ども自身が「学びが好き」「勉強っておもしろい」「学習は大切だ」「成長できることが嬉しい」という実感を持つことが大切です。もっと突き詰めれば、「こういう勉強の仕方をすると自分は楽しい」ということを、実感してほしいのです。そして、自分に合った学び方までも創出できるようになることが理想です。
一方で、主体性・独創性を育むときに、それを阻むのは、「強制」です。「将来のためだから」「あなたのために言っているの」そういった言葉がけは、子どもの意欲の芽を摘んでしまいます。たしかに、グリットとも呼ばれる「やり抜く力」は、大切です。しかし、やらされ感の中でそれを身につけるより、子どもが自分事として取り組み、夢中という楽しさを感じながら、その力を育むことができるのなら、これほど素晴らしいことはないと思います。

夜遅くまでの生活サイクルを「強制」せず、家庭でおしゃべりをしながらゆっくり食事をすること。つまり、家族との夕ご飯の温かいコミュニケーションで主体的な学びの土台を作るのです。
子どもと親が一緒に食卓を囲むこと、幼少期には当たり前のことかもしれませんが、長い人生で考えると実は限られた時間です。家族が一緒に話しながら食事を取ること、そこには、「豊かで温かい時間」が流れているはずです。その時間は、成長期の子どもを持つ家庭には特に欠かせないものだと思います。

合格するという目的のためには、それは綺麗事のように思われるかもしれません。しかし、むしろ健全な生活サイクルで過ごすことこそが前向きな日々に繋がり、頑張ること、合格することにもプラスの影響があると考えています。中学受験業界の仕組みが確立されている現代において、少しでも多様な価値観を受け入れられる中学受験のあり方を提供します。